先月、蔦屋書店で本を買った。
買った時店員さんが挟んでくれたしおりが気に入って、ずっと使っている。
それが、この写真のしおり。
ベンチに座って読書をしている白髪の男性の姿と、白黒の全体的なデザインに、目もこころも引き込まれた。ざわついた気持ちや、どこか不安定な心の波が、絹とか手触りのよい上質なものに触れて、ゆっくりと整っていくような、そんな感覚になった。
“おかえりなさいませ”という言葉も、なんだかあたたかい。旅館のおかみさんが言ってくれているようで、少しかしこまっているためか、背筋を正してお辞儀したくなる。
ふぅ〜っと息がつけた。
絵に描いたものは、葉っぱを触る人。
葉っぱを触ったり、じっと見たり、木々の中を歩くことは、眠っていた感覚を取り戻してくれる。 土の上では蟻が列を成して歩いていたり、自分より何倍も大きい昆虫や蝶々の羽をせっせと運んでいたりする。変なでかい蜘蛛ものっそり歩いている。
そんな場所では、心が踊ってにんげんに戻るような気がしてくる。
帰る場所(空間)というのは、人それぞれあるのだと思う。
“おかえりなさい”
いい言葉ですね、、…☆