せみしぐれ(蝉時雨)という言葉がなんだか美しい響きだなと思ったのは小学生の頃。
時雨(しぐれ)という言葉は、“秋の末から冬の初めごろに、降ったりやんだりする小雨”のことを言うらしい。
家の前の大きい公園では、ひっきりなしに蝉の鳴き声が聞こえ、日中は蝉の大合唱となる。公園内を歩くと、蝉が主人公の世界に自分が来訪者として来た感覚になった。
↑蝉をよ〜く見ていると、羽はあまり動かず、お尻がゆっくり動いていた。
蝉の抜け殻は大量に、そこらじゅうに存在している。
蝉の世界にも、なにかしらの集団やコミュニティというものがあるのだろうか。家族や親戚など。おもしろいな。
抜け殻は、時々日の光に当たってブロンズ色のガラス細工のように見える。天然の造形アートのようで、魅入ってしまう。
蝉たちは来年の夏に向けて卵を産み、土に還る。
ほんのわずかな時間の命だ。
生きる意味や生きがいなどは、人間が生み出した概念なのだろう。
土の中の卵は、冬を越して夏に孵化する。
親の姿を一度も見ることなく、親の鳴き声を聞かぬまま、孵化する方法もタイミングも鳴き方も知っている。すごい。
まだまだ暑い日が続きそうですね。
みなさま、お身体ご自愛ください。
読んでくださりありがとう。