宮崎に引っ越しして、私はしばらくの間、ひとりで過ごしていました。
知り合いは仕事仲間がひとりだけ。それも遠い距離に住んでいます。私は一人暮らしで、家でできる仕事をし、また、SNSも開くことがなかったため、関東にいた頃に比べてだれかと関わること自体がぐんと減りました。
最初は、さみしいと感じることや、自分だけ取り残されたような感覚になることもあったのですが、自分に意識を向ける時間がだんだん増えて、その感覚にほっとするようになりました。
そのほっとした感覚や、安定感みたいなものが自分の大部分を占めるようになっていきました。
スーパーに買い物に行く。いろんなスーパーがあることを知って、冒険のように渡り歩いて、この地域の雰囲気を知っていく。
小学生の落語大会に行ってみる。
市長選挙の討論会に行ってみる。
1人カラオケができる場所を見つけて何度も行く。
図書館で本を借りて読めることがとてもありがたく思えて、図書館とスーパーがあれば生きていけると思ったり。
外に散歩に出かけるのが楽しくて、花や空の写真を何枚も撮る。夜は星や月を眺めて、音楽を聴いたりする。
私は、だれかの言動に一喜一憂し、情報やニュースにも、右往左往することがたくさんありました。外側のことに反応をし続けるのは、とてもエネルギーを使っているんだなと実感がありました。
しずかな感覚というのは、なんというか、呼吸がしやすい感じです。
そして、だれのことも否定せずにいて、責めずにいる状態です。劣等感も優越感もなく、波の穏やかな大海のような感じ…
(不安もなく、逆に、おっしゃあー!!というアドレナリンが出る感覚もありません。サッカー日本代表の試合は出てしまいましたが。)
しずけさは、なんだか広く、開けている感じがします。
とても安心感があります。
今の環境に、今の時間に、
感謝しています。