辻井伸行さんの音楽
体を揺らして楽しそうに弾く姿が印象的で、顔も少し笑っている。
そんな辻井伸行さんのことを、“全盲のピアニスト”であるということ以外は、何も知りませんでした。
先日、辻井さんのお母さんが書いた本を読みました。
タイトルはこちらです。
『のぶカンタービレ!
全盲で生まれた息子・伸行がプロのピアニストになるまで
辻井いつ子』
息子の伸行さんを見守り続ける母としての想い、譲れない考え方。
それらが、時々出てくる日記とともに綴られていてどきどきしながら一気に読みました。
私が驚いたのは、
ピアノの練習量と、集中力の質。
その源になっているのは、
“この曲を弾きたい。このコンクールに出たい。”という伸行さん本人の強い気持ち。
“天才”という言葉はときどき何かを覆って真実を見えなくしてしまう・・・そんな感じがしていたのですが、それがなんだかスッキリしました。
伸行さんや、世界で活躍するプロのピアノの先生たちが、エアコンのない環境でも、たとえひどいピアノしかない状況でも1日に何時間も練習をしているということ。
苦労も、喜びの深さも、
コンクールで拍手を受けている
奏者の姿を見ただけでは、
わからないなぁと…
本には、我が子のプロとしての活動を最大限に応援しながらも、盲学校での行事などに参加させてあげたいという考え方が、ピアノの先生の考え方(行事に参加させている場合ではありません。怪我でもしたらどうするんですか)と異なることもあり葛藤した場面や、
周りの方やピアノの先生が海外留学を勧める中で、親として何をいちばんに考えていたのかなども書かれていて、
考えさせられました。
目が見えないということの実際の暮らし。
子どもの将来を真剣に考えている親の、簡単には書けないだろうと思うような葛藤。
何が最善だろうという問い。
辻井伸行さんが奏でる音、
ひとつひとつに、耳を傾けたくなりました。
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